Hasebe Yoko Lab.
私たちは国内外を問わず教育現場を起点として、より良い社会を目指してソーシャルトランスフォーメーションに取り組んでいます。肩書きにとらわれない大学生が様々な現場に足を運び、域産官学様々なセクターに対してそのパッションと時間を存分に費やす中で異文化を通じて小さな意識の変化の連鎖を生み出しています。
このようにお互いの強みを掛け合わせて協働しソーシャルトランスフォーメーションをカタチにする中で、私たちは豊かなコミュニケーションを取ることを大切にしています。まず、自分を知り、相手を知り、相互理解を深める、こうした異文化・自文化理解とコミュニケーションが「教育」の原点となり、共感を土台とした人育ての輪が広がり、様々な形で社会の仕組みづくりが始まると考えています。
Interview
担当教員である、長谷部葉子准教授に、GEPの活動についてインタビューをしました
長谷部葉子准教授
慶應義塾大学 環境情報学部准教授、政策・メディア研究科委員
専門は英語教材、教授法、遠隔教育、カリキュラムデザイン、異言語・異文化間コミュニケーション。
. 担当教員である⻑谷部先生が考える「Glocal English Project」の強みは何ですか?
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GEPの学生は、教職を目指している学生が少なくて、教職ではない一般的な就職をする学生が多いので、フィールド先の先生方はなぜ学生たちが中学校に通ってワークショプをしているのか、疑問に思われる方が多いんですね。だけどやっぱりGEPの活動内容の発表会などを先生方が見にきてくださるうちに、「あ、これは自分じゃ思いつかなかった」っていうことが、教職志望だけではない多様な学生がいるからこそ出てくるんですね。
例えば、今のメンバーだと雑誌を作ったり、演劇のワークショップをしていたり、表現教育に興味のある学生が多いので、表現することを通して生徒たちが英語を自分のものにするには良いでしょうね。そういうことが面白いと、学校の皆さんが段々と分かってきてくださっています。GEPが学校に入らせていただいた時の位置付けは、生徒たちが学校の授業で身につけた学力を、授業外で試す実践の場なんです。ある意味、学校が理論で私たちが実践っていう、学びに重要な両輪が揃った形での活動になっています。
12年前、GEPの前身である「ニューヨークプロジェクト」の時から様々な公立中学校とご縁を持たせていただいてきました。公立中学校では先生方の異動が多いので、お世話になった先生が次の学校に行かれてもGEPを呼んでくださることが多くて。そうやってGEPの活動が沢山の学校で普及されはじめています。そういった先生方との関係性もGEPの強みだと思いますね。
. Glocal English Projectを志望する大学生に向けてメッセージをお願いします。
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英語教育、教材開発をしたい人って結構多くて、そのためのフィールドを求めている大学生は沢山いますよね。特に【理論的なもの】をすでに持っている人に伝えたいのは、現場に入ることはかなりの忍耐力を要するということです。現場のニーズをしっかりと認識した上で、自分たちの方が柔軟に形を変えて融合させて行く。価値観の切り替えが必要な時もありますが、その分強いやりがいを感じる活動です。
また、まだ【理論的なもの】を持っておらず【活動】から入った人の場合は、「理論的な研究ができるか」という不安を持つかもしれません。しかし結論からお伝えすると、必ず研究になります。研究になるかどうかの分かれ道は、皆さんが記録を取っているかどうかです。「自分は何を見たいか」という軸をしっかり持って、その軸に沿って見続けることが大事。「それが自分にとって興味のあることだ」と言い続け、プロジェクトの中で自分のパートを持つこと。それを徹底してしないと、プロジェクトの流れに乗るだけでは何も残りません。あとは、プロジェクトや、フィールド先のスケジュールに、自分の予定を柔軟に合わせられることも大事です。以上のことを踏まえて、英語教育をしたい人、是非⻑谷部研の門を叩きに来てください。お待ちしています。
. 学校関係者の方々へのメッセージをお願いします。
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学校の文化と大学の文化はかなり違う上、特にSFCの学生には帰国子女が多く、様々な文化背景を持った人がいます。なのでまずは「学校の文化がどんなものなのか」ということを皆さまからしっかりとご指導いただきたいです。学校の文化をご指導いただいた上で、私たちの大学文化がご提供できるものを、一緒にチームとなって検討して、学校や地域に最適なもの、残るものを作り上げていきたいと思っています。学校文化の中に、SFCの学生たちの立ち位置をチームの一員として作っていただければ幸いです。